中国万事通

しとしとと降る雨(昆明駅:昆明1)

2017/09/16

(Airbnbホストのモニカさん手作りの「過橋米線」)

○たまには小説風に

困った。どこも店は開いていない。次の宿も行くに忍びない。 しかも雨が降ってきた。万事休すだ。

午前4時30分。僕は昆明駅に降り立った。 日は昇っておらず、外はまだ暗い。そして肌寒い。 麗江と同じ状況やん、と1週間前の出来事を思い出す。

大理と昆明は距離が近い。このため、夜行列車に乗っても6,7時間で着いてしまう。 そして、チケットは到着の時間が遅いものから予約されていく。 僕がチケットを購入したときには、大理を9時半に出るものしか残されていなかった。

昆明駅のプラットフォームから地下道を伝って昆明駅の正面に出る。 このとき、僕は駅の外に出ることを選ばなかった。 朝7時ごろまでどこかで時間を潰せる店がこの辺りにあると思えなかったからだ。 先週、昆明駅に来たときは、次の列車まで駅近のdicos(德克士。中国資本のバーガーチェーン)で過ごしていた。 しかし、朝4時半からそこが開いているとは限らない。

昆明駅の正面には、乗車券を購入できる機械が建物の1Fに並んでいる。 そこなら雨風を凌げるかもしれない。 そう考えて、地上に出た時、僕の予想はすぐに裏切られた。 閉まっとるやん。

ガラス扉の手前には、シャッターではなく鉄の柵が降りてきており、誰も入ることができない。 同じことを考えた人たちが、その扉の前で所在なさげに座っている。 日に焼けた黒い顔。実際の年齢より年を取っているようにみえる。 おじいさん、おばあさんは、みんな疲れた顔をしている。

駅の階段の下は柱があるだけなので、雨はしのげるが風は吹きつけてくる。 10kgを超えるバックパックを背負いながら、さて、どうしたものかと途方に暮れた。

いっそ外に出ようか、それとも駅の敷地内で座って待てる場所を探そうかと、 あちこち歩き回っているうち、駅の中にあるチェーン店のお店の電気がついているのに気が付いた。 dicosと面料理を出すお店の2か所だ。その店が開きそうだと気づいた人たちが、 そこに向かって早足で歩きだしていた。 その人数が多く、また店内の席の数がわからなかったので、座席がとれないといけないと思い、僕もそちらに向かった。

朝5時、中で準備していた店員が扉を開けてくれた。 僕は寒かったので油物が食べたいと思い、dicosに入った。 席を取って、カウンターで注文する。 中国といえども、他のファーストフード店とも何も変わらない。 僕はツイスターのセット(南洋鸡肉卷套餐)を頼んだ。

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45元は高いな~と思いながら、席代だと思って払った。 同じチェーン店の同じメニューでも、駅の中にある店は街にある店より1割ほど高くなっているようだった。

さて、朝7時ごろ、僕は出発した。 体は疲れていたが、目は冴えていたので、結局dicosでも眠ることはなかった。 昆明駅を出て、Airbnbで予約した宿に向かった。

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駅の周りには招待所という形態の宿がたくさん。しかし、どこも外見からして古く汚い。 人が来ないのか客引きも多く、ベッドやトイレに清潔さを求めるべくもないだろう。 対して、今回Airbnbで見つけたところは、 一泊35元(約500円)で駅から徒歩5分のマンションエリアに泊まれることになっている。 駅から東側にあるようなので、駅を出て右に進む。

が、完全に地図の見間違いだった。 10分歩いてもお店が続き、バスターミナルがあるくらいでマンションエリアはない。 マンションがあるといえばあるものの、これは駅員用の宿舎(鉄路局宿舎)だ。 あー、完全に無駄足だと思い、来た道を戻る。 駅へ向かう途中、バスターミナルの横に市バスの発着場があるのを見つけた。 この発見が午後に役立ったので、何が損で何が得になるかわからない。人間万事塞翁が馬だ。

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駅を越え、15分ほど歩いてマンションエリアにたどり着く。 見たところ、一棟で30階くらいはありそうなマンションが6,7棟並んでいる。 中国では、主要な駅の周りや都市の郊外で、このようなマンションが建設ラッシュ中である。

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(奥に見える高層マンションの一室が今回の宿)

雨が多い土地にもかかわらず、外観もまだ汚れていない。 駐車場の出入り口には警備員もいる。 部屋もさぞかし綺麗だろうと、期待が高まった。

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Airbnbホストにあらかじめ聞いた棟に向かう途中、周りを見回してみた。 駐車場を中心にして、マンションがぐるりと取り囲む形で建っている。 マンションの各棟1階部分の、駐車場に面した側と道路に面している側にはちょっとしたお店が入っている。 地元感あふれるかざらない飯屋、日用雑貨店、八百屋、床屋、蘭州牛肉面、バーガーチェーン、またクリーニング屋など、大抵の雑事はこのエリア内で片付きそうである。

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(中国でも床屋は青、赤、白のバーをぐるぐる回している) 中に入り、エレベーターで上がり部屋に向かう。 ドアで呼び鈴を押すと、中からホストのモニカさんが出迎えてくれた。 部屋やトイレ、風呂を一通り見せてもらい、荷物を置く。 モニカさんと少し話をした後、朝食をごちそうになった。

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米線は米粉で作った麺だ。 スープは薄味でとてもおいしい。昆明の人はピーナッツ入りラー油をたくさん入れて、 もっと辛くして食べるのが好きなのだそうだ。 理由を聞いてみると、夏は蒸し暑いし、冬は寒い。だから、味を辛くして汗が出るくらい体温を上げるのだそうだ。

一度昆明に立ち寄ったときに外で食べた米線と比べると、味は100倍うまい。 量はラーメン二玉ぶんくらいはあった。 多かったら残してもいいから、と言われていたので、 満腹になったところでごちそうさまをした。

2段ベッドが3台置かれた6人部屋に入ると、宿泊客は僕以外にはいなかった。 他にもダブルルームが2部屋あり、そこにはカップルが泊っているとのことだった。 ベッドは設置されたばかりで新しい木のにおいがした。 シーツも洗濯を重ねてよれることなくまだパリっとしている。 Airbnbホストを始めたばかりなのだろう。

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マンションの電子キーを受け取った後、僕は気持ちよくベッドに寝ころんだ。 昆明では3泊4日の予定だ。ガイドブックを読み、スケジュールを頭の中で組み立てているうちに、ぐっすりと眠ってしまった。

次回は、この日の午後に観光した官渡古鎮について紹介します!


えもん

えもん 大学では文学部に行きたかった都内IT企業のエンジニアです。
Twitter: @koneko_mc