中国万事通

山の上のティータイム(彝族の四道茶/昆明7)

2017/09/27

(パッケージングされた4種類のお茶)

龍門ルートを降る

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(岩をノミで削って通路を作った)

西山景観地区は広い。龍門から山を下っていく要所要所に道観(道教の寺院)がある。そのうちの一つに玉皇閣があった。見晴らしのいい場所に建てられており、山から張り出ている。

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階段を上がってみると、寺院の前にテラスのような場所があった。そこにテントと机、椅子が出されており、若い男女が数名いた。女の子は民族衣装を着ている。なんだろうと思ってみていると、さっそく女の子が勧誘に来た。

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(写真を撮った後、真ん中の女の子が声をかけてきてくれた)

「ここではお茶を飲むことができます。彝(イ)族の四道茶ですよ。疲れているならちょっと座っていかれたらどうでしょう。」ちょうど足が疲れてきているころだった。それに僕はお茶に目がない。試してみたいということを伝えて、勧められた椅子に座った。

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(雲が晴れてきて見晴らしが良くなった)

すると、20歳くらいの男の子がお茶を入れてくれた。君も彝族?と尋ねると、「いいえ、違いますよ。ただアルバイトに来ているだけです」とのこと。初対面の場合、お茶を準備するときは、得てして沈黙が訪れる。

茶器を準備している間、お湯を沸かす間、お茶を注いでいる間、カップのお茶に口をつけてテーブルに置き、それ飲み切るまでの間。その間に、ぼつぼつ話をする。この間を話で盛り上げるか、また気持ちの良い沈黙にするか、あるいは互いに目を合わせず居心地の悪いものにするか、それは自分にかかっている。

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(カップはお湯で消毒されている)

人と人を繋ぐお茶

彼は昆明出身の大学生だった。蘇州の大学で建築を学んでおり、夏休み(この時は7月)を利用して地元に帰って来ている。それで、この場所でアルバイトをしているとのことだった。僕は蘇州の生活はどうかと尋ねた。

「蘇州の夏は暑くて冬は寒いです。体が慣れるのに時間がかかります。昆明はいま雨期で天気は悪いです。でも、暑すぎず寒すぎずで、一年を通して気候が穏やかでよっぽど過ごしやすいですよ。それに向こうは食事が口に合わないですし…」

なるほど。やっぱり生まれ育った土地のものがいいよね。食べものは蘇州は甘くて、こっちは辛いし。「そう、そうなんです。なんでも甘すぎるので、おいしいものを探すのに一苦労です。」でもこっちのご飯は辛すぎない?「いやあ、辛いからいいんですよ(笑)」

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話をしながらも、彼はお茶の説明をしてくれる。緑の生態茶は熟成していないプーアル茶。青い高山茶は、西山に自生している野草。

左から二番目の桂花烏龍は、特殊な製法のお茶だ。キンモクセイと茶の木を交互に植えて、ミツバチを飛ばす。そうすることで、ハチが互いの花を行き交い、花粉と花の香りが移っていく。その葉を摘んでお茶にする。

一番左は女児茶という。小さな女の子でも飲めるほど甘いという特徴からこの名前がついた。野生のバラを使って紅茶に仕立てている。

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(白い粒がお湯に溶けると甘い。初めは菌類やその胞子かと思った)

高山茶は茶葉とその味は特筆してもよい。まず茶葉に何かつぶつぶがついている。そして、飲んだことのない味だった。口に含んだ時は、少し苦みを感じる。しかし、飲み込んだ後は甘い香りで口の中がいっぱいになり、唇を舌で舐めるとこれまた甘い。つぶつぶが甘い成分を持っているのかと思うが、詳しいことは彼にもわからないようだ。それにしても変わった味のお茶だった。

お茶を飲むことの楽しみの一つは、「飲むまで味がわからないこと」だと僕は思っている。面白い味のお茶を発見したときには心が躍る。一種のギャンブルに近いかもしれない。だからこそ、おいしいお茶に出会ったときには感動が大きいし、誰かと一緒に飲んで、おいしさを共有したくなるのだ。

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この中では女児茶が一番おいしかったので、お土産に購入した。女児茶を買うことを彝族の女性に伝えたら、「マジ?」という顔をしてフッと鼻で笑われた。お土産用だから別にいいじゃんとムッっとしながらも、彝族の間では本当に小さい子向けなんだなあと納得した。

去り際に、お茶を入れてくれた男の子が僕に話しかけてくれた。「あなたはとても社交的な方なんですね。僕は内向的だから、知らない人と話すのはちょっと苦手なんです。」

僕も初対面の人と話すのは得意ではなかったので、内心彼の言葉が意外だったし、素直にうれしかった。それと同時に、中国人で人見知りの子は珍しいなと思った。一人っ子政策と個人主義の広まりで、若い子の間だと彼みたいな子は珍しくないのだろうか。

喉も潤い気持ちも満たされ、疲れは消えてしまった。ロープウェイの時間に間に合うよう、残りのスポットを観光して西山を後にした。

次回は中国民族の光、鄭和の生まれた昆陽へ!

費用(四道茶体験)

四道茶(180元) ✓100元:四道茶の試飲(生態茶・高山茶・桂花烏龍・女児茶) ✓80元:女児茶の茶葉(土産用)

(女児茶は最初120元と言われたが、値切りました笑)

2017年7月18日にこの場所に行きました。雲南省は雨期のため、雨と曇りが続きました。


えもん

えもん 大学では文学部に行きたかった都内IT企業のエンジニアです。
Twitter: @koneko_mc